2026.08.09 業界分析

韓国コスメ(K-beauty)はなぜ日本で選ばれるのか——輸入首位30.8%の背景を読む

日本の化粧品市場で、いま最も存在感を増している海外勢が韓国コスメ(K-beauty)です。それは一時的な流行にとどまらず、輸入額という「数字」の面でも首位を占め続けています。本稿では、公開データをもとにK-beautyの現在地と、支持される背景、そして他地域の海外ブランドが学べる点を整理します。

輸入額でも「首位」——数字で見るK-beauty

1,417億円2025年 韓国からの化粧品輸入額(前年比+5.6%)/輸入国別シェア30.8%で第1位

日本輸入化粧品協会によると、2025年(1〜12月)の化粧品輸入額は前年比3.1%増の4,460.7億円。このうち韓国は1,417.7億円(前年比+5.6%)で首位となり、全体の30.8%を占めました。長く高級・プレステージ市場の中心だったフランス(約2割強)を数量面で上回り、K-beautyは日本市場の「主要な輸入元」として定着しています。

供給側の韓国から見ても、化粧品輸出は世界的に拡大し、近年は過去最高水準を更新しています。日本はその主要な輸出先の一つであり、両国の需給がかみ合っている状況がうかがえます。

なぜ支持されるのか——4つの背景

K-beautyの伸びは、単一の理由ではなく複数の要素の重なりとして語られます。市場で一般に指摘される背景を、4つに整理します。

  • 価格と機能のバランス:手に取りやすい価格帯でも、成分や処方の訴求が明確で、「試しやすさ」と「効きそうな納得感」を両立している。
  • 企画と上市サイクルの速さ:トレンドを素早く製品化し、新製品の投入テンポが速い。話題が途切れにくい。
  • SNS・動画との親和性:若年層・Z世代の情報接触の仕方に合い、口コミやレビュー動画を通じて広がりやすい。
  • 販路の多層化:ドラッグストア、バラエティショップ、ECモール(Qoo10の大型セール等)と、生活者が「出会う場所」が幅広い。

海外ブランドが学べること

重要なのは、これらの背景が「韓国だから」に依存していない点です。価格設計・商品企画・情報発信・販路という要素の組み合わせは、韓国以外の海外ブランドにも再現の余地があります。K-beautyの成功は、日本市場に合わせて作り込んだ結果と読み解けます。

  • 成分・効能を日本語の文脈で伝える「機能の翻訳」
  • 継続的な商品供給と、トレンドへの追随
  • クリエイターやレビューを前提とした情報設計
  • 単一チャネルに依存しない、複数販路での接点づくり

同時に、輸入首位の市場は競争も激しくなります。後発のブランドが存在感を出すには、単発の販売ではなく、日本市場に合わせた設計と、腰を据えた運用の継続が欠かせません。

K-beautyの強さは「韓国だから」ではなく、日本市場に合わせて作り込んだ結果。その方法論は、どの国のブランドにも開かれています。

出典日本輸入化粧品協会「化粧品輸入実績(2025年1〜12月期)」。輸入額・シェアは同協会の公表値(歯磨・石鹸等を除く)に基づく推計であり、集計範囲により数値は異なる場合があります。韓国の化粧品輸出に関する動向は、公的貿易統計および大手経済メディアの報道に基づきます。本記事は公開情報に基づく一般的な市場分析であり、特定の企業・製品を推奨・評価するものではありません。

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